顎関節症は、口を開いたり閉じたりする時に動く耳の前の顎関節に症状が現れる疾患で、20~30代の女性に多くみられます。
原因は、噛み合わせの悪さや一方に偏った咀嚼、歯ぎしりなど物理的な刺激によるものと考えられていましたが、現在ではストレス・うつ病などといった心理的な要因や慢性的な疲労によっても起こるとされており、首や肩のコリが前兆となる場合もあります。
症状は、関節円板・軟骨・靭帯などの異常によって起こる開口運動の障害や顎関節部の痛み、開口・閉口時の関節雑音(クリック音)などで、治療としては顎関節の安静・マウスピースの装着、そして痛みの強い場合には消炎鎮痛剤の投与や鍼治療なども行われます。
鍼灸治療は「顎関節症」の症状である顎関節の痛みに対し、鎮痛作用・消炎作用で痛みを緩和するとともに、血流改善作用・筋緊張緩和作用を用いて開口運動障害・関節雑音を軽減し、精神安定作用で原因の一つと考えられているストレスや、うつ病の症状を抑制して顎関節の状態を改善するのです。