プール熱(咽頭結膜炎)

プール熱(咽頭結膜炎)とは

プール熱はアデノウイルスに汚染されたプールの水を介して感染し流行的に広がるもので、ウイルスが咽頭や結膜に炎症を起こさせるため正しくは「咽頭結膜炎」と呼ばれます。

症状は5~7日の潜伏期間の後、3~7日間続く発熱、眼の痛み・充血・流涙などの結膜炎症状、のどの発赤・痛みなど咽頭炎症状、その他に頭痛・鼻水・鼻閉・咳などの風邪様症状や全身倦怠などもみられます。

アデノウイルスに対する特効薬はありませんが、予後は良好です。しかし咽頭結膜炎は症状が消失した後も感染力は残っているので、2日間ほど過ぎるまでは注意が必要です。

鍼灸治療によるプール熱(咽頭結膜炎)に対するアプローチ

感染症は、ウイルスや細菌などにより引き起こされる疾患で、私たちは白血球を中心とした免疫機構により、それら病原体を攻撃・排除しています。

特にリンパ球に属するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、ウイルスや細菌をいち早く発見し、他の免疫系の指令を必要とすることなく単独で即座に病原体を殺傷します。NK細胞は別名「生まれながらの殺し屋」とも呼ばれ、他の免疫細胞の攻撃を免れた病原体をも攻撃するのです。

そしてその後、病原体を貪食した樹状細胞やマクロファージからの指令を受けたヘルパーT細胞やキラーT細胞などがNK細胞に追随する形で病原体を攻撃することとなります。

また好中球は細菌やカビなどを殺傷するとともに、リンパ球の一つであるB細胞はヘルパーT細胞の命令を受けて、その病原体(抗原)に対する抗体を産生し、その抗原の働きを止めてしまうのです。

最新の研究で鍼灸治療は、NK細胞・T細胞などのリンパ球を増加させ、それらの血液中への移行を促進する作用を示すとともに、その活性化を強く促すことが証明されています。

さらに、鍼灸治療はB細胞による抗体の産生能力を高めるだけでなく、ストレスなどによる免疫抑制に対する防止効果も有しているため、様々な感染症の治癒を可能とするのです。

それゆえ鍼灸治療はプール熱とも呼ばれる「咽頭結膜炎」の症状である発熱・鼻水・鼻づまり・咳・痰などに対し、鍼灸治療の持つ消炎・抗炎症作用で症状を緩和するとともに、鎮痛作用により頭痛や胸痛、ノドの痛みなどを軽減するのです。

プール熱(咽頭結膜炎)の症状

発熱・頭痛・鼻水・鼻づまり・咳・痰・全身倦怠感・下痢・腹痛・のどの痛み・のどの違和感・眼痛・流涙 など

プール熱(咽頭結膜炎)の原因

アデノウイルス

プール熱(咽頭結膜炎)の検査

ウイルス診断迅速キット検査・アデノウイルス簡易検査・血清学的検査 など

プール熱(咽頭結膜炎)の治療

薬物療法・鍼灸治療 など