膵炎は、膵液として十二指腸に分泌されるべき消化酵素が膵臓内部で活性化し、自身を消化してしまうことによって起こる疾患です。
原因は、アルコールの多飲によるものが約4割、胆石症の影響によるものが約2割を占め、上腹部や背中の強い痛み以外に、悪心・嘔吐・発熱などもみられます。膵炎の痛みは仰向けに寝ると強くなり前かがみに座ると軽減するという特徴があり、急に激しい症状の起こるものは「急性膵炎」と呼ばれますが、長く続き膵臓細胞の線維化や破壊が徐々に進行するものは「慢性膵炎」と呼ばれています。
治療は、絶飲絶食が基本で、点滴による十分な補液を行うとともに鎮痛剤や抗生物質などを投与します。
鍼灸治療は「膵炎」の症状である上腹部痛や背部痛に対し、鍼灸治療の持つ鎮痛作用で痛みを緩和するとともに、整胃整腸作用により悪心・嘔吐・食欲不振・腹部膨満感を軽減し、消炎・抗炎症作用で発熱などの炎症症状を抑制するのです。