腎炎は、血液を濾過して尿を作る毛細血管が集まった糸球体という組織が炎症を起こしたもので、それには急性と慢性があります。
「急性腎炎」はA群溶血性連鎖球菌(溶連菌)などの抗原が上気道などに感染し抗体が形成された結果、抗原・抗体・補体が結合した免疫複合体が腎臓に沈着し糸球体の組織を傷害して起こるもので、「慢性腎炎」は急性腎炎が治りきらずに移行したものとされていますが、その原因はあまりよくわかっていません。
症状は、血尿・タンパク尿・乏尿・むくみ・高血圧などがみられ、その予後は悪くありませんが成人の30~40%、小児の約20%は慢性化すると言われています。
鍼灸治療は、免疫系に対する生理学的作用を用いて病原体の感染を防ぎ、免疫状態を正常化することにより「腎炎」の炎症を抑止するとともに、止血作用により血尿を、血圧降下作用で高血圧などの症状を緩和するのです。