中耳炎は中耳に炎症が起こる病態の総称で、一般的には風邪などの上気道感染に続発する2歳以下の小児に多い、耳痛・難聴・発熱・耳漏・耳鳴りなどの症状を呈する「急性中耳炎」を指しています。
ただし、急性中耳炎を繰り返したり治療が不完全であったりすると慢性に移行することもあり、そうなると痛みは少ないものの耳漏や耳鳴りが繰り返され難聴が徐々に進んでいってしまいます。
また慢性のものには、中耳に滲出液が溜まることにより難聴を引き起こす「滲出性中耳炎」や、鼓膜の増殖によって真珠腫と呼ばれる塊が形成され、骨の破壊や悪臭のある耳漏、高度な難聴やめまい、顔面神経麻痺などを起こす「真珠腫性中耳炎」などがあります。
鍼灸治療は「中耳炎」の症状である耳痛や頭痛に対し、鎮痛作用で痛みを緩和するとともに、免疫活性作用および消炎・抗炎症作用を用いて、発熱・耳漏・難聴・耳鳴りなどの症状を軽減してゆくのです。