不眠症は、何らかの原因により睡眠障害を引き起こす疾患で、どの年齢にも起こるとされていますが、特に高齢者に多くみられます。
睡眠障害には、寝付きの悪い「入眠障害」、眠りが浅い「浅眠」、途中で目が覚めてしまう「中途覚醒」、朝早くに目が覚めてしまう「早朝覚醒」などがあり、目覚めた後も良く眠ったという満足感がなく睡眠に対する不安や苦痛などが生じてくるのです。
原因はシフト勤務などによる概日リズムの乱れ以外に、ストレスやホルモンバランスの変化、またカフェイン・ニコチン・アルコールなどの過剰摂取、および睡眠補助薬の乱用などが挙げられますが、脳の器質的疾患や精神障害によっても引き起こされてしまいます。
鍼灸治療は「不眠症」でみられる入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・浅眠および日中の疲労感や集中力低下などの症状に対し、自律神経調節作用・精神安定作用・鎮静作用で睡眠の状態を改善するとともに、ホルモン調節作用を用いて、脳の松果体から出される睡眠を促すホルモンであるメラトニンを分泌させることにより不眠症を治していくのです。