インフルエンザは、A型・B型・C型のインフルエンザウイルスが気道で増殖して炎症をきたす感染症で、強力な伝播力を持っており飛沫感染によって冬季に大流行を起こしやすと言われています。
症状は1~2日の潜伏期間をおいて、発熱・頭痛・悪寒・咳・痰・全身倦怠などといった症状の他に、筋肉痛・関節痛・胸痛・腹痛・悪心・嘔吐・下痢などもみられます。また、発熱は39~40℃の高熱が3~5日間持続したのち急速に下がってきますが、感染力はまだ持続しているので、発症から1週間前後の安静が必要です。
インフルエンザは高齢者や乳幼児では肺炎を併発して重篤になる場合もあるため、ワクチンによる予防が最も重要です。
感染症は、ウイルスや細菌などにより引き起こされる疾患で、私たちは白血球を中心とした免疫機構により、それら病原体を攻撃・排除しています。
特にリンパ球に属するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、ウイルスや細菌をいち早く発見し、他の免疫系の指令を必要とすることなく単独で即座に病原体を殺傷します。NK細胞は別名「生まれながらの殺し屋」とも呼ばれ、他の免疫細胞の攻撃を免れた病原体をも攻撃するのです。
そしてその後、病原体を貪食した樹状細胞やマクロファージからの指令を受けたヘルパーT細胞やキラーT細胞などがNK細胞に追随する形で病原体を攻撃することとなります。
また好中球は細菌やカビなどを殺傷するとともに、リンパ球の一つであるB細胞はヘルパーT細胞の命令を受けて、その病原体(抗原)に対する抗体を産生し、その抗原の働きを止めてしまうのです。
最新の研究で鍼灸治療は、NK細胞・T細胞などのリンパ球を増加させ、それらの血液中への移行を促進する作用を示すとともに、その活性化を強く促すことが証明されています。
さらに、鍼灸治療はB細胞による抗体の産生能力を高めるだけでなく、ストレスなどによる免疫抑制に対する防止効果も有しているため、様々な感染症の治癒を可能とするのです。
それゆえ鍼灸治療は「インフルエンザ」の症状である発熱・咳・痰などに対し、鍼灸治療の持つ消炎・抗炎症作用で症状を緩和するとともに、鎮痛作用により頭痛・胸痛・筋肉痛・関節痛・腹痛などの痛みを軽減し、悪心・嘔吐・下痢などの消化器症状に対しても胃腸に対する運動調整機能で、それらのツラい症状を改善するのです。