顔面神経麻痺は脳神経の一つである顔面神経が側頭骨の顔面神経管という通路を通る部分において、ウイルス感染などが原因で腫脹し管の中で圧迫された結果、その支配領域にあたる表情筋の運動麻痺や味覚障害などが一側性に起こる疾患です。
しかし、この疾患は水痘・帯状疱疹ウイルス感染による「ラムゼイハント症候群」のように原因が解っているものはわずか2割程で、残りの多くは原因が明確ではなく「ベル麻痺」と呼ばれています。
症状は、片側の表情筋麻痺に伴う健側への筋肉の引きつり、および患側の様々な症状で、閉眼・閉口・額のしわ寄せなどが困難になるため、涙がこぼれたり、口から飲み物がこぼれたりします。
鍼灸治療は「顔面神経麻痺」の閉眼困難・開口困難・健側顔面筋のひきつり・流涙などといった片側の表情筋麻痺に伴う症状および味覚障害・聴覚過敏・耳痛などに対し、免疫活性作用・抗アレルギー作用・循環改善作用・鎮痛作用などを用いて、それらの症状を緩和するとともに表情筋の運動麻痺を改善させるのです。