変形性頸椎症は、頸椎の骨増殖や椎間板の変形といった加齢による退行変性を主な原因として頸神経や脊髄が圧迫された結果、首や肩また腕などにかけて様々な症状が現れる疾患です。
そのうち50歳以上の人では、骨棘と呼ばれる骨にトゲのようなものが形成される骨増殖が半数以上でみられます。
症状は、初めのうちは肩こりや首から背中、また肩から腕にかけての痛みとして現れますが、変形が進むと手指の痺れや握力の低下、また手の筋肉の委縮などに伴う運動障害が出てきます。
そして更に病態が悪化すると脊髄症状をきたし下肢麻痺による歩行障害や、尿漏れ・便秘など膀胱直腸症状も起こしてくるのです。
鍼灸治療は「変形性頸椎症」の症状である頸部痛・項部痛・背部痛・上肢痛・頭痛などに対し、鎮痛作用で痛みを緩和するとともに、血流改善作用や筋緊張緩和作用を用いて、肩こりや手指のしびれなどを抑制するのです。