宇宙の開闢(かいびゃく)それは時の流れも拡がりも何もない『無』の状態から、カオスという無秩序な混沌の段階を経て、ビッグバンと呼ばれる大爆発により始まりました。
遥か昔、約137億年も前の出来事です。
宇宙(コスモス)とは「秩序」という意味を持つ言葉。
「宇」は天地四方を、「宙」は古往今来を、すなわち宇宙とは空間と時間、つまり過去と未来をも含めた我々が暮らし生きる時空全てを表している言葉なのです。
そして私たちの世界は、その時に生まれたプラス(+)の電価を持つ「陽子」や、マイナス(-)の電価を持つ「電子」などに代表されるように互いに背反する性質を持った物質により全て構成されているのです。
「天と地」「光と闇」「生と死」など、相反する様々なものが存在する二元論の世界。それこそが宇宙であり、また『陰陽五行説』においてはそれを「無極より太極を経て陰陽を生じ、五行に分かれたのちそれが万物に細分化された」と表現しているのです。
「無極」とは無を意味し、「太極」は混沌の状態を表しています。
そしてそこから凄まじいエネルギーとともに対になる「陰陽」に属する物質が生まれ、それらは「五行」という5つの要素に分化した後、それぞれの属性を持った「万物」へと分かれていったのです。
「陰陽」とは「陰」に属する受動的な性質を持つものも、「陽」に属する能動的な性質を持つものも、そのどちらも善でも悪でもなくまた優劣を示すものでもありません。
「男」と「女」のように、対となって存在する全てのものたちは、そのどちらかが欠けても成立することは不可能なのです。
つまり、相反する二物の消長盛衰による秩序に満ちた調和。
それこそが『無』から生まれた宇宙、すなわち『有』の世界を支配する「陰陽」の概念なのです。
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