『東洋医学』を知ろう!

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恋心を抱いていた人にフラれてしまったり、忙しくて食事の時間が取れなかったり、また徹夜が続いている時などは誰でも「元気」が出ませんよね。

そしてそのようなストレスが長く続くと「気が重くなる」ばかりか幾つも重なった場合には「病気」になってしまうかもしれません。

それに「気落ち」し過ぎて「気が触れ」たり、「狂気」となってしまっては、それこそ一大事です。

でもそれとは逆に、宝くじに当たるような良いことがあったり、ハイキングや旅行に行って美味しいお弁当や料理を食べたり、充分な睡眠をとったあとなどは「気力」が充実して「元気」になり「活気」あふれる時間を過ごすことが出来るはずです。

いかがですか皆さん。このように『気』は私たちの生活のありとあらゆる場面に密着して私たちと深いつながりを持っているのです。

でも、こんなに密接な『気』とは、一体何なのでしょう?

東洋医学においては、それを生命活動を支えるエネルギーであると定義付けています。ですからいろんな言葉に含まれる『気』という文字をエネルギーという言葉に置き換えて考えてみると、それぞれの言葉の意味をイメージしやすくなるのではないでしょうか。

たとえば「やる気」という言葉は行動するためのエネルギーであり「気抜け」とはそのエネルギーが抜けてしまった状態、また「勇気」は勇ましいエネルギー、「悪気」は悪事に使うエネルギー「気性」「気質」はその人の持つエネルギーの性質を表現しているといった具合です。

「元気」とはエネルギーの元となるもの。いくら体中のエネルギーを集め合わせ「気合い」を入れても元気がなくてはエネルギー不足で力が出せず「無気力」になってしまいます。

そこで私たちは山や海など自然の中に出向き、大きく深呼吸をして美味い空気を吸ったり、栄養のあるバランスのとれた食事をしっかり摂取したりして元気を取り戻そうとするのです。そう、すなわち消耗した『気』は補えるものでもあるということですね。

では『気』とは、本来どのようにして私たちに備わり、またどのような作用を持っているものなのかを、その種類とともに見てまいりましょう。

私たちの生命活動を支えるエネルギーである『気』の材料となるものには、先天性のものと後天性のものがあります。

先天性のものは両親から授かる「先天の精」であり、それから作り出された『先天の精気』が発育や生殖を主ります。そしてそれは、誕生したときが最も充実していますが、日々の生活を送り年齢を重ねることにより徐々に減少していき、それが尽きたとき人は死を迎えることになるのです。

また後天性のものには、普段の食事に含まれる『水穀の精微』と呼ばれる栄養に当たる「後天の精」と呼吸により体内に取り込まれる『自然界の清気』と呼ばれる酸素に相当するものがあり、これらの働きにより『気』は日々、補充されていくのです。

すなわち、私たちは食事を摂り呼吸をすることによって日常の生活に必要な『気』を栄養と酸素から作り出し、親からもらった生命を持続継続させているのです。

そして人体を成り立たせる『気』は、心拍運動や呼吸運動を促進する「宗気」、全身を栄養する「営気」、体表を防御する「衛気」、生命活動の原動力となる「元気」の4種に分けられます。

では次に『気』は、どんな生理作用を持つのかを見てみましょう。

『気』には、推動作用・温煦作用・防御作用・固摂作用・気化作用という5つの作用があり、いろいろな仕事をしています。

推動作用 - 臓器や組織の働きを促す作用。

温煦作用 - 体熱を産生し、身体を温める作用。

防御作用 - 疾病の原因から生命を守る作用。

固摂作用 - 体液の異常流出を抑制する作用。

気化作用 - 主に物質の代謝を行わせる作用。

このように『気』は、生命を維持するエネルギーとして生理活動の中核を担っているのです。

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