『基礎医学』を知ろう!

皇帝の使徒

国内の状態を安寧に保つためには外部の情報が欠かせません。そしてそれは、国の存亡に関わりかねない事態にも発展することがあるため、その重責は皇帝ブレインの側近である12人の使徒「脳神経」がその省の仕事を担っています。

ある特定の刺激に対して反応する受容器を「感覚器」と呼びますがそれには、視覚・味覚・嗅覚・聴覚があり、人体においては、目・舌・鼻・耳がそれらを担当し、それぞれ特徴のあるシステムで外界からの情報を感受しています。

また感覚器系は、皇后スパイナルの管轄する外皮系に属する皮膚感覚も入れて「五感」と表現されることもあります。

〈視覚を司る眼〉
眼は入ってきた可視光の情報を網膜で受け止め「視神経」を経由して皇帝に伝達しています。
人の眼はよくカメラに例えられますがまさにそのものでフィルムが「網膜」、レンズにあたるものが「水晶体」、入ってくる光の量を調節する絞りに相当するものが「虹彩」、ピントの調節を担っているのは水晶体の厚みを自在に変える「毛様体」、さしずめ「まぶた」は、レンズキャップといったところでしょうか。
そして白内障は、水晶体が年齢により劣化して白濁するもので、緑内障は、眼圧の上昇などにより視神経が侵されるものです。

〈味覚を司る舌〉
味覚は、舌の表面に約1万個もある味蕾(みらい)の中の味細胞により感知され「甘い」「酸っぱい」「苦い」「塩からい」というたった4つの基本感覚が組み合わされることにより、多種多様な味が構成されています。
そしてその情報は、脳神経Ⅶ「顔面神経」脳神経IX「舌咽神経」により皇帝に伝えられますが、舌の前側2/3は顔面神経、後ろ1/3は舌咽神経が支配しています。
味覚の障害は、これらの神経の麻痺および亜鉛やビタミンの欠乏によって引き起こされます。

〈嗅覚を司る鼻〉
嗅覚は、鼻腔の天井に存在する嗅細胞により感受され、脳神経Ⅰ「嗅神経」を経由して皇帝にその情報が伝えられます。しかし、人の嗅覚は非常に順応性が高くすぐに慣れてその匂いを感じなくなってしまいますが、別の匂いは感じます。
また2種以上の匂いを混ぜると第3の匂いを感じるため、これを利用して悪臭を減弱させることが出来るのです。
そして味に4つの基本の味があるように匂いにも基本となる原臭があり ① ショウノウ ② ジャコウ ③ 芳香(花香) ④ ハッカ⑤ エーテル ⑥ 刺激臭 ⑦ 腐敗臭 の7つがそれなのです。

〈聴覚・平衡感覚を司る耳〉
聴覚に関して人は自然界で発生するあらゆる周波数の音に対し、約20~20,000Hzの範囲で音をとらえることが可能です。
空気を伝わった音の振動は、耳の中の鼓膜で受け止められ3つの「ツチ骨」「キヌタ骨」「アブミ骨」という耳小骨を介し、内耳の蝸牛そして脳神経Ⅷ「聴神経」の枝である蝸牛神経を経由して皇帝へと伝えられます。
また耳は聴覚以外に身体のバランスをとる平衡感覚も司っており「卵形嚢」「球形嚢」「三半規管」より構成される前庭でそれを感受し、もう一つの聴神経の枝である前庭神経を経由して皇帝へとその情報を伝えています。
そして、卵形嚢と球形嚢の内部には「耳石」と呼ばれる平衡砂が入っており、三半規管の中のリンパとともに、姿勢の変化を敏感に感受しているのです。

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