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「心」と「精神」の相関

私たち人間は、みんな『心』というものを持っています。

「愛する心」「思いやる心」「求め合う心」などなどさて、それでは『心』とは、一体どういうものなのでしょうか?

辞書で『心』という言葉の意味を調べたならば、知識・感情・意志の総体とあり、それは「人間の精神作用のもとになるもの」という意味があるのです。

その『心』を扱う学問、心理学において精神分析の祖、フロイトは「人間の心は、海面に浮かぶ氷山のようなものである。海面に出ている部分が意識であり、海面下にあるそれよりはるかに大きな部分が無意識である」と、述べ人間の心を意識・前意識・無意識の三領域に分類しました。

通常の意識に対し、思い出そうとすれば意識に登るものが前意識。

意識の抑圧されたものが無意識というわけです。

その後、さらにフロイトの弟子であったユングは、無意識を個人の願望や夢の部分である「個人的無意識」と、人類が共通して持つ、より深い層に存在する「普遍的無意識」に分類したのです。

普遍的無意識は、集合的無意識とも呼ばれ、それに相当するものが「ペルソナ」「シャドウ」「アニマ」「アニムス」なのです。

ペルソナとは「自己の外的側面」のことであり、仮面という意味を持つラテン語です。

そしてそれは、自身を上手く社会に適応させるために身に付けた演技とも言える表面的なパーソナリティ(人格・個性)のことであり、会社員としての顔・父としての顔・妻としての顔・彼女としての顔などといった具合に誰もが、その立場や状況に応じた役割を演じているのです。

しかしそれは社会人として不可欠なものであると同時にあまりにもそれが固定化されてしまうと個性の妨げにもなってしまうのです。

それに対し、シャドウは「自己の否定的側面」とも呼ばれるもので意識にとって許容できない自身の影の部分であり、生理的に受けつけない人物という形で夢の中に出てきたり、現実の人間に投影されたりするのです。(多くの場合は自分と同性)つまりそれは、自分の欠点を無意識的に抑圧した結果生まれてくるもう一人の自分でもあるのです。

またアニマやアニムスは、自身の中にある理想像的異性のことで、アニマは男性における「自己の女性的側面」、アニムスは女性における「自己の男性的側面」とされています。

そして、ペルソナとして選択されなかったものは、シャドウ・アニマ・アニムスとして無意識へと抑圧され、これら普遍的無意識と呼ばれるものたちがバランスよく上手く機能することにより自身を成り立たせているのです。

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