身体症状症(身体表現障害)は、実際には重篤な病気ではないにもかかわらず、本人は身体症状を訴え、病院で検査した結果「異常なし」と診断されても「自分は重い病気にかかっているに違いない」という明らかに過度で不釣り合いな囚われを持ち続ける精神疾患です。
訴える症状も人さまざまで、一つまたはそれ以上の身体症状を訴え、ほんの些細な不調にも過敏になってしまいます。
病院で医師から異常がないと言われても信用できずドクターショッピングと呼ばれる複数の病院を転々として繰り返し身体を調べ上げるような場合も多く見受けられます。
その結果、長期化・重篤化すると多くの場合、日常生活や社会生活に支障が生じるとともに、約50%のひとに、うつ病など他の精神障害の合併がみられるとされています。
鍼灸治療は、精神や情動に関与する脳内神経物質であるセロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなどを分泌させる作用があるとともに、自律神経調節作用・精神安定作用などの作用も有するため「身体症状症(身体表現障害)」の症状である「病気に対する強い不安や恐怖」「健康に対する懸念」などを抑止・軽減するのです。