脊椎すべり症は、脊椎の一部において上の椎骨が下の椎骨の前方にすべってズレを起こすもので、第5腰椎と仙骨の間に好発します。
原因は先天的形態異常や加齢に伴う靭帯・椎間板・椎間関節の緩みによるもの以外に、脊椎後方の椎弓と呼ばれるアーチ型をした骨の細い部分に亀裂が生じ分離した「脊椎分離症」に伴うものもあり、それは「脊椎分離すべり症」と呼ばれます。
症状は腰部と臀部・大腿部・下腿部の後外側に起こる痛みや痺れが現れる坐骨神経症状が主で、患部に圧痛を認めるほか、腰椎の前弯の増大のため臀部が後方に出っ張ったような姿勢となります。
治療としてはコルセットなどによる保存的療法が原則です。
鍼灸治療は「脊椎すべり症」の症状である腰痛・臀部痛・大腿部痛・下腿部痛に対し、鎮痛作用で痛みを緩和するとともに、血流循環促進作用および筋緊張緩和作用を用いて、腰部のだるさ・下肢のしびれなどといった坐骨神経痛の症状を軽減するのです。