くも膜下出血は、硬膜・くも膜・軟膜という脳を覆っている3層の膜のうち、くも膜と軟膜の間のくも膜下腔で出血が起こる疾患で、突然の激しい頭痛とともに吐き気・嘔吐などといった髄膜刺激症状に襲われますが、脳卒中などでみられる運動障害・言語障害・知覚障害などの脳局所症状はほとんどみられません。
原因は80%以上は脳動脈瘤の破裂によるもので、それは本来あるべき動脈壁の中膜が先天的に欠損している状態に、高血圧や外傷といった血圧の負荷が加わって生じてくるとされています。
この疾患は約半数が初回の出血により死亡や重篤な機能障害に陥るため、出血後は出来るだけ早期に手術を受けることが大切です。
私たちの身体には、酸素・二酸化炭素・栄養素・老廃物などを血液に乗せて運ぶ動脈・静脈という血管が全身に張り巡らされています。
また、それ以外にもリンパ液(組織液)がリンパ管内を巡行し、その途中には関所として免疫機構を担うリンパ節が各所に設けられています。
そして、それら血液やリンパ液を身体の隅々まで行き渡らせるために休まずポンプとして働き続けているのが心臓です。
最新の研究で鍼灸治療は、それら循環器に対し、様々な作用を示すことが分かってきました。
血液に対しては、赤血球・白血球・血小板を増加させるとともに、血管を拡張させて血流を改善し血圧を調整、出血に対しても血液凝固を促進し止血を促します。
神経系・免疫系・内分泌系に対しても生理学的に働きかけ、脈拍の正常化・抗体の増加・免疫活性・血液の抗酸化など、様々な作用を発動するのです。
それゆえ鍼灸治療は、血圧降下作用・血流調整作用・コレステロール減少作用により「くも膜下出血」の発症を抑止するのです。