性器クラミジア感染症は、細菌の一種であるクラミジアに属するクラミジアトラコマティスによって起こる感染症で、性的接触による性交感染およびオーラルセックスやキスによる咽頭への感染などが起こります。
潜伏期間は1~2週間で、頻尿や排尿痛のほか、尿道からの分泌物がみられ、のどに感染した場合は咽頭痛や痰の増加が現れます。
それ以外に、女性では子宮頸管炎・子宮内膜炎・卵管炎などを起こす事もあり、男性では前立腺炎・副睾丸炎・腎炎などに波及することがあるとともに、クラミジアに感染していると、他の性感染症やエイズ(HIV)の感染率が飛躍的に高くなると言われています。
感染症は、ウイルスや細菌などにより引き起こされる疾患で、私たちは白血球を中心とした免疫機構により、それら病原体を攻撃・排除しています。
特にリンパ球に属するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、ウイルスや細菌をいち早く発見し、他の免疫系の指令を必要とすることなく単独で即座に病原体を殺傷します。NK細胞は別名「生まれながらの殺し屋」とも呼ばれ、他の免疫細胞の攻撃を免れた病原体をも攻撃するのです。
そしてその後、病原体を貪食した樹状細胞やマクロファージからの指令を受けたヘルパーT細胞やキラーT細胞などがNK細胞に追随する形で病原体を攻撃することとなります。
また好中球は細菌やカビなどを殺傷するとともに、リンパ球の一つであるB細胞はヘルパーT細胞の命令を受けて、その病原体(抗原)に対する抗体を産生し、その抗原の働きを止めてしまうのです。
最新の研究で鍼灸治療は、NK細胞・T細胞などのリンパ球を増加させ、それらの血液中への移行を促進する作用を示すとともに、その活性化を強く促すことが証明されています。
さらに、鍼灸治療はB細胞による抗体の産生能力を高めるだけでなく、ストレスなどによる免疫抑制に対する防止効果も有しているため、様々な感染症の治癒を可能とするのです。
それゆえ鍼灸治療は「性器クラミジア感染症」の症状である尿道の痒みや膿性分泌物排出などに対し、鍼灸治療の持つ消炎・抗炎症作用で症状を緩和するとともに、鎮痛作用により排尿痛を改善するのです。