食中毒は、人体にとって有害な物質を経口的に摂取することによって発症する健康障害のことで、原因物質としてカンピロバクター・黄色ブドウ球菌・腸炎ビブリオ・サルモネラなどの細菌やそれらが産生する毒素、テトロドトキシン・ソラニン・毒キノコ・青梅などの自然毒、ヒ素・カドミウム・鉛・水銀などの化学物質などが挙げられます。
症状は、主に下痢・嘔吐・腹痛などの胃腸症状がみられ、けいれんなどの神経障害や呼吸困難、発熱・発汗を生じる場合もあります。
食中毒は原因物質によって潜伏期間や症状が大きく異なるため、それらに合わせた適切な治療が大切なのです。
感染症は、ウイルスや細菌などにより引き起こされる疾患で、私たちは白血球を中心とした免疫機構により、それら病原体を攻撃・排除しています。
特にリンパ球に属するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、ウイルスや細菌をいち早く発見し、他の免疫系の指令を必要とすることなく単独で即座に病原体を殺傷します。NK細胞は別名「生まれながらの殺し屋」とも呼ばれ、他の免疫細胞の攻撃を免れた病原体をも攻撃するのです。
そしてその後、病原体を貪食した樹状細胞やマクロファージからの指令を受けたヘルパーT細胞やキラーT細胞などがNK細胞に追随する形で病原体を攻撃することとなります。
また好中球は細菌やカビなどを殺傷するとともに、リンパ球の一つであるB細胞はヘルパーT細胞の命令を受けて、その病原体(抗原)に対する抗体を産生し、その抗原の働きを止めてしまうのです。
最新の研究で鍼灸治療は、NK細胞・T細胞などのリンパ球を増加させ、それらの血液中への移行を促進する作用を示すとともに、その活性化を強く促すことが証明されています。
さらに、鍼灸治療はB細胞による抗体の産生能力を高めるだけでなく、ストレスなどによる免疫抑制に対する防止効果も有しているため、様々な感染症の治癒を可能とするのです。
それゆえ鍼灸治療は「食中毒」の症状である下痢・嘔吐・腹痛などに対し、鍼灸治療の持つ胃腸運動調整機能で、それらの症状を緩和するとともに、止血作用により下血や血便を改善するのです。