エイズ(後天性免疫不全症候群)

エイズ(後天性免疫不全症候群)とは

エイズ(後天性免疫不全症候群)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞であるCD4陽性Tリンパ球に感染することによって起こる疾患で、性的接触によるものが8割以上を占め、他に血液製剤などによる血液感染やHIV感染者の妊娠・出産・授乳などによる母子感染によって感染します。

症状は感染後数週間で消失する発熱・咽頭痛などの風邪様症状に始まり、その後数年~十数年の無症候期を経たあと、リンパ節腫脹・体重減少など発症の前駆症状を呈するエイズ関連症候群期、そしてカポジ肉腫やカリニ肺炎など様々な日和見感染症状が起こる発症期へと移行し、治療をしても予後はあまり良くありません。

鍼灸治療によるエイズ(後天性免疫不全症候群)に対するアプローチ

感染症は、ウイルスや細菌などにより引き起こされる疾患で、私たちは白血球を中心とした免疫機構により、それら病原体を攻撃・排除しています。

特にリンパ球に属するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、ウイルスや細菌をいち早く発見し、他の免疫系の指令を必要とすることなく単独で即座に病原体を殺傷します。NK細胞は別名「生まれながらの殺し屋」とも呼ばれ、他の免疫細胞の攻撃を免れた病原体をも攻撃するのです。

そしてその後、病原体を貪食した樹状細胞やマクロファージからの指令を受けたヘルパーT細胞やキラーT細胞などがNK細胞に追随する形で病原体を攻撃することとなります。

また好中球は細菌やカビなどを殺傷するとともに、リンパ球の一つであるB細胞はヘルパーT細胞の命令を受けて、その病原体(抗原)に対する抗体を産生し、その抗原の働きを止めてしまうのです。

最新の研究で鍼灸治療は、NK細胞・T細胞などのリンパ球を増加させ、それらの血液中への移行を促進する作用を示すとともに、その活性化を強く促すことが証明されています。

さらに、鍼灸治療はB細胞による抗体の産生能力を高めるだけでなく、ストレスなどによる免疫抑制に対する防止効果も有しているため、様々な感染症の治癒を可能とするのです。

それゆえ鍼灸治療はエイズとも呼ばれる「後天性免疫不全症候群」の症状である発熱やリンパ節腫脹などに対し、鍼灸治療の持つ消炎・抗炎症作用で症状を緩和するとともに、鎮痛作用によりノドの痛み・関節痛・筋肉痛などを軽減するのです。

エイズ(後天性免疫不全症候群)の症状

発熱・のどの痛み・リンパ節腫脹・関節痛・筋肉痛・発疹・体重減少・下痢・感染症にかかりやすい など

エイズ(後天性免疫不全症候群)の原因

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)

エイズ(後天性免疫不全症候群)の検査

血清学的検査・HIV遺伝子検査 など

エイズ(後天性免疫不全症候群)の治療

薬物療法・鍼灸治療 など