前立腺がん

前立腺がんとは

前立腺がんは、前立腺の内側である内腺に起こりやすい前立腺肥大に対し、主に前立腺の外側である外腺の部分に発生する悪性の腫瘍で、その頻度は50歳代から加齢とともに増加する老齢者に多い男性特有の疾患です。

原因は男性ホルモン・食生活・環境・遺伝子・ウイルスなどの関与が考えられていますが、今のところ明らかではありません。

症状は初期の段階においては無症状のことが多く、進行すると排尿困難・排尿痛・頻尿の他、残尿感や血尿も現れてきます。

治療は程度によっても異なりますが、ホルモン投与などによる内分泌療法の他、外科手術・放射線療法・化学療法などが行われます。

鍼灸治療による前立腺がんに対するアプローチ

私たちの体内では、実は健康な人であっても毎日5,000個くらいの「がん細胞」が作られてしまっているのです。

これは細胞再生の際におけるDNAのコピーミスなどによるもので、それらのほとんどは免疫機構により日々排除されています。しかし加齢やストレスなどにより免疫力が弱くなると、それらの「がん細胞」は増殖を繰り返し様々な部位に「がん」を発生させてしまうのです。

「がん細胞」の排除を行う主な担い手はリンパ球を中心とする白血球で、特にリンパ球に属するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)は「がん細胞」をいち早く発見し、他の免疫系の指令を必要とすることなく単独で即座に「がん細胞」を殺傷します。NK細胞は別名「生まれながらの殺し屋」とも呼ばれ、他の免疫細胞の攻撃を免れた「がん細胞」をも攻撃するのです。

そして、その後「がん細胞」を貪食した樹状細胞やマクロファージからの指令を受けたヘルパーT細胞やキラーT細胞などがNK細胞に追随する形で「がん細胞」を攻撃することとなります。

最新の研究で鍼灸治療は、NK細胞・T細胞などのリンパ球を増加させ、それらの血液中への移行を促進する作用を示すとともに、その活性化を強く促すことが証明されています。

さらに、鍼灸治療はストレスなどによる免疫抑制に対する防止効果を有するため、免疫系を調節することにより「がん」の発生を抑止し、またその増殖を抑制することが可能となるのです。

それゆえ鍼灸治療は「前立腺がん」の症状である排尿痛に対し、鍼灸治療の持つ鎮痛作用で癌性疼痛を緩和するとともに、排尿改善作用により頻尿や残尿感、そして排尿困難などの症状を軽減します。

前立腺がんの症状

排尿困難・頻尿・夜間頻尿・残尿感・排尿痛 など

前立腺がんの原因

男性ホルモン・食生活の乱れ・遺伝的要因・ウイルス など

前立腺がんの検査

直腸指診・経直腸的超音波断層検査・尿道膀胱造影・CT検査・MRI検査・生検組織検査・腫瘍マーカー など

前立腺がんの治療

精巣摘除術・ホルモン療法・外科手術・放射線療法・化学療法・鍼灸治療 など